平成30年度 第1回 高知声と点字の図書館運営協議会 日時:平成30年11月1日(木曜日)午後7時から9時まで 場所:オーテピア4Fホール 出席者 【委員長】  高知県社会福祉協議会 常務理事 福島 寛隆 【副委員長】  高知県眼科医会 会長 田内 芳仁 【委員】  有識者 上田 真弓  点訳ボランティア団体 高知ブライユの会 代表 小野 ちづる  高知県身体障害者連合会 視覚障害生活訓練指導員 金平 景介  高知県視覚障害者協会 会長 恒石 道男  高知県視力障害者の生活と権利を守る会 副会長 正岡 光雄  音訳ボランティア団体 高知朗読奉仕者友の会 会長 松田 光代  NPO高知県肢体障害者協会 会長 森下 昭仁  高知県立盲学校長 八木 千晶 【事務局】  健康福祉部長 村岡 晃  声と点字の図書館長 坂本 康久   【事務局関係機関】  高知市教育委員会 市民図書館長 貞廣 岳士  高知県教育委員会 高知県立図書館長 渡辺 憲弘   高知県地域福祉部 障害保健福祉課 課長補佐 野町 光宏     1 挨拶 (健康福祉部長)  みなさんこんばんは。健康福祉部長の村岡でございます。本日は,第一回目の高知声と点字の図書館の運営協議会に,お寒い中,ご参加頂きましてまことにありがとうございます。またこの度は,本運営協議会の委員を快くお引き受けいただきまして,本当にありがとうございます。  7月24日にオーテピア高知声と点字の図書館が開館いたしまして,オーテピア自体に大変多くの市民の皆様方,県民の皆様方に来ていただいております。これまで点字図書館というのは,どちらかというとなかなか人が来てくれない施設でございましたが,一階の立地的にも非常に良いところに設置していただきまして,毎日だいたい五百人ぐらいの方がお立ち寄り頂いています。直接利用するという方ばかりではありませんが,来ていただくということだけでも大変大きな成果になっているところでございます。点字図書館というのは,認知度が非常に低いという状況もございましたけれども,こうやって来館していただけることで,こういう図書館があるんだということが広く県民・市民の皆さんにご理解いただけることを大変うれしく思っているところです。また,新規の登録者につきましても,例年の数を上回る数で登録をされております。後ほど詳しく事務局の方から説明をさせていただきますが,これから様々な困難を抱える方々のサービスの向上という点でも,これからの利用が期待されるところでございます。  この声と点字の図書館の運営協議会につきましては,前身として,平成28年から29年度以降の高知声と点字の図書館のサービス計画を策定して取り組みを進めてまいったところです。29年度一年間の取り組みや成果,また30年度からどのような取り組みをするかということで,今日の運営協議会でも審議を頂きます。それぞれのお立場からこの高知声と点字の図書館が,県民・市民の皆さん,またこれまで利用されていなかった読書に障害のある方々のサービス向上につながりますように,それぞれのお立場から積極的なご意見を頂戴できればと考えております。事務局の説明に対しまして様々なご意見を頂ければと思っております。活発な討議をお願いしまして,簡単ではございますが,開会に先立ちましてのご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 2 議事 (事務局)  【資料説明 議題1,2】 (委員長)  それでは,ただ今の事務局からの説明に対しまして,委員の皆様からのご意見・ご質問をお願いいたします。 (委員)  声と点字の図書館は,高知市の予算はもちろん,高知県の予算も活用されると思います。けれども,国の予算も活用される方が予算の規模も大きいですから,是非それも積極的に活用をお願いします。今年,および来年度の視覚障害者関係の予算を見てみますと,まず,読書環境向上予算というのがあるわけです。これが三億八千万円ということですが,前年度は一億九千万円ですから,約倍の予算が組まれてるわけです。この内容は,マラケシュ条約という条約を国が認めて,この実施が来年からになるわけです。これによって,予算が増えているというわけなんです。この予算を大いに活用して,図書館を発展させるということをお願いしたいと思います。それから,重度訪問介護利用者の大学進学の支援予算というのも出ております。それから,三次元図形・模型の整備予算というのも出ている。このことについて,声と点字の図書館の考え方ですが,どういう方向で予算要求するか。これは,国が力を入れている分野ですので,ぜひこういうところで図書館を充実していただきたいと思います。 それからもう一点は,障害者に関する図書です。点字や(カセット)テープはもちろんですけど,これだけでは到底足りなくて,障害者関係の一般図書がオーテピア高知図書館には八千分ぐらいあるようです。これについて,視覚障害者の方が目録がないということで,どの本があるか分からないわけですから,これについて是非目録の整備をお願いしたいと思います。録音による目録,点字による目録,それから大活字による目録,この三つをお願いしたいと思います。この実施については,点字図書館の協力もお願いします。これについては,私たちが点字や録音でない図書も利用したいと思いますので,そういうことの支援もぜひよろしくお願いします。 以上のことについて,館長さんのお考えをお聞きしたいと思います。 (事務局)  まず一点目の国の読書支援等の予算につきまして,細部がまだ私どもも分かっておりませんので,なお調べてみまして,活用できるものがあればぜひ活用していきたいと思っています。それと,障害者用図書等の目録等の整備につきまして,図書館の方にも声がけしていただいているということで,また図書館の方と協議しまして,対応等を考えていきたいと思います。 (委員長)  そのほかにはいかがでしょうか。ないようでしたら,次の議題3,予算についてというところに移りたいと思います。それでは,事務局から説明をお願いします。 (事務局)  【資料説明 議題3】 (委員長)  ただ今の事務局からの説明に対しまして,ご質問・ご意見をよろしくお願いいたします。 (委員)  いくつかお伺いしたいのですが,表の中にあった福祉施設,医療機関等への出前講座,団体貸し出しの促進というところで,これは,オーテピア側から営業をかけて行ったものなのか,向こうからの依頼があったものなのか,そこを知っておきたいんです。 (事務局)  今年度につきましては,オーテピアのパンフレットをあらゆる機関とか施設とかへ出した折に,アンケート調査をしました。これが8ページにございますが,バリアフリーアンケートということで七月初めに眼科医さん,眼科医医療機関さんとか福祉施設とか,いわゆる読書が困難な方がおられるであろう施設・471件に出しましたら,そのうち34件から返信がございまして,うちに読書が困難な方がいるのでリーフレットを送ってほしいとか,出前講座に来てほしいとか,そういった要望も頂きましたので,こういったアンケート結果を寄せてくれたところにまず順次行っています。もう一つは,アンケートの回答はなかったんですけれども,オーテピアのPRなどを見て,そこの職員さんが興味をもって来てくださったとかいうことで,PRによってもいっていただいている状況です。ですので,来年度からもさらにどう進めていったらよいかなども,ぜひご意見等を頂ければと思っています。 (委員)  ありがとうございます。たぶん,図書館の職員さんが行ける回数というのも限られてくると思うんですけれど,計画的に年間これぐらいの施設に出前講座に行って,団体貸し出しの目標施設数はこれというのを,計画的に維持していただきたいなあと思います。あとここに盲学校がないのは,もともと団体貸し出しをしていたからないということではなくて? (事務局)  そうです。 (委員)  わかりました。もちろん,盲学校には図書室がありますので,サピエ図書館も利用登録していると思いますから利用可能だとは思いますが,(距離の)近い盲学校とも,連携を深めていただきたいというお願いです。  また,アンケートの結果からというところで納得いたしましたが,なかなかアンケートに返信する施設も少ないだろうと思うので,たとえば,盲学校と連携をして弱視学級のある学校であるとか,肢体不自由の学校であるとか,そういうところの図書室の先生とも連携して,ぜひ多くの方の利用登録を進めていただきたいなあと思います。新規の登録者数が50人というのは僕も非常に驚いている数字なんですけれども,これはオーテピアの広報の効果が非常に高かったかと思うんですけれども,これを是非維持して,営業を頑張っていただきたいなと思います。  もう一点,視覚障害の方への支援で,高知市以外の方へも訪問をしていただいていると思うんですけど,8ページの訪問件数25人,来館者対応6人,合わせて31人という数字で,紹介先は主にどこだったのか。それは,テレビを見たからということも含めて,中にはルミエールからの紹介というのももちろんあるかとは思うんですけど,一番気になるのはその逆のパターンというか,この31人の中で,自分たちが知らない人がどれぐらいいるのかが気になっています。 (事務局)  まず紹介いただきました方の紹介先なんですが,まず医療機関であったりとか,あとご家族とかご親戚の方,支援者の方からのお声がありました。それからこの訪問件数の中に,たとえば新規登録の方はもちろんなんですが,機種を変更したりだとか,機械の不具合で来てほしいといったような,今まで利用していただいていた方の数も入れさせていただいていますので,ちょっと内容がばらばらといったところがあるかとは思います。 (委員)  ありがとうございます。視覚障害者生活訓練指導員が配置されておられますので,読書以外の困ったことというところでも,高知市からルミエールへ広げていくといった形でしていただきたいなあと思っていますので,よろしくお願いします。以上です。 (委員)  この図書館で職員配置の人数として,どこまでの範囲,障害者への対応をするかで人数が配置されているかと思うんですが,たとえば,私のように視覚でない障害で車いすで,福祉タクシーとかがあるので,ここまでは車いすタクシーでそのまま到着します。で,図書館に入って本をぱっと見ていこうと思ったときに,その対応として,誰かが一緒に来てほしい本を取るとか,車いす利用者がどこまで行けばそういうお願いができるのかとか,職員さんの対応はどこまでが可能かとかを障害者自身が知っていれば,ガイドヘルパーを連れてくるとか一人で来られるのかとかというところで広めていくことができるかと思いますが,そのあたりはどのような感じでしょうか。 (事務局)  声と点字の図書館につきましては視覚障害の方が主ですけれども,近隣のバス停とかそういったところまではお迎えに行って,一緒にお連れしています。うちの場合には人数も少ないので,ある程度マンツーマンで対応できているんですけれども,委員さんのおっしゃられているのは,一般の図書館の障害者の方への対応をどこまでしていただけるのかといったところなんでしょうか?それは,オーテピア図書館から…。 (市民図書館)  先ほどのご質問でいきますと,図書館のスタッフは,約100名ほどおります。ほかの委託でされている方もおりますけれども,またPRが行き届いていないかもしれないんですけれども,私が職員の方に言っているのは,全員が障害者サービス担当であると。そういうようによく言っているんですけれども,可能な範囲でということにはなりますが,まずはお声がけいただいてということにはなろうかと思います。こちらからお声がけということももちろんあるんですけれども,行ききれていないというところもあるかと思います。ただ,棚のものが取れないとか,ご不便なことがあった場合は,職員にお声がけいただけましたらできる限りのことはしてまいりますので,言っていただけたらと思います。 また今後の話ということで,PRといったところですよね?「お気軽にお声がけ下さい。」といったようなところが出来たらいいかなと思って,先ほどのご意見を聞いておりました。以上でございます。 (委員長)  図書館の方でも,PRをよろしくお願いします。ほかにございますでしょうか? (委員)  同じPRのところで,福祉施設や医療機関に出前講座を行っているというお話がありまして,点字図書館でも,私たちのような上肢障害にも対応して下さるとのことでしたが,そういうことはまだまだよく知られていないと思うんですけれども,たとえば県の市町村の他の図書館と連携して,そういう市町村にいる障害者の方に説明会をされたりするようなことはあるのでしょうか? (事務局)  おっしゃられたような図書館への出前講座も,今後行っていきたいと思っております。今度,四万十私立図書館からお声がけいただきまして,12月にデイジー図書や再生専用機,視覚障害の方向けの便利グッズなどを持って行って,ちょうど行われておりますバリアフリー上映会の期間に合わせて行くつもりにしております。また,先のアンケート調査の中でも,梼原の図書館や他の図書館さんからも出前講座の要望を頂いておりますので,そういうことをぜひ来年度にやっていきたいと思っております。ありがとうございます。 (委員)  予算の面で一つ気になっていることがありまして,重度視覚障害の1,2級の方への郵送は,郵便のサービス制度を利用して無料で扱えるので,気兼ねなく紹介できると思うんですが,それ以下の3〜6級の方,また視覚障害以外の読書が困難な方へは通常の郵送サービスになるというところで,USBメモリの郵送等で費用を抑えるなど工夫をしていらっしゃると思うんですけれども,いずれ(利用者の数が増えて)サービスが立ち行かなくなるようでは困るなあとところを気にしているところです。 (事務局)  おっしゃるように,潜在ニーズは相当あると思いますが,現実のところ,まだそのような心配をしなければいけない状況には至っておりません。それは今後,ますます働きかけをしていかなければいけないと思っております。ですので,引き続き(新規利用の方を)ご紹介いただきたいと思います。 (委員)  ここには視覚障害以外の委員もいらっしゃいますので,どんどん活用して頂いて,さらなる障害の方への啓発を頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。 (委員)  高知県肢体障害者協会でも,たとえば何人か集まれば説明に来て下さったり,来館して体験させてもらったりとかいうことは可能でしょうか? (事務局) もちろん可能です。ぜひお願いしたいと思います。 (委員)  冒頭に流されたPR動画は,県や市のホームページに掲載されているものなのでしょうか?それから,市町村の各地でも,新しい図書館が改築されたりといった話を聞いたんですけれども,そういうところでイベントがあるごとに点字図書館からも行って参加すれば,そういうところからも広がりが出てくるんじゃないでしょうか。 (市民図書館館)  貴重なご意見ありがとうございます。別の短い動画のDVDを現在は展開していると記憶しておりますけれども,先ほどの18分ほどの動画は展開できていなかったと思いますので,今後検討したいと思います。 (事務局)  各市町村へのお知らせなどにつきましても,今後また検討していきたいと思います。ありがとうございます。 (八木)  団体貸し出しにつきまして,具体的に団体登録をして,団体貸し出しでどのようなことができるのかをお教えいただけますでしょうか。 (事務局)  団体貸し出しによる貸し出し資料数は,一応50タイトルということにしていますが,順次追加も可能です。また,デイジーの再生機,それから場合によってはマルチメディアデイジーを再生するためのタブレットも貸し出しいたします。資料は,マルチメディアデイジー図書,デイジー図書,点字図書,あるものはなんでも貸し出しいたします。期間は基本一か月ですが,お申し出に応じて延長継続も可能です。是非よろしくお願いします。 (八木)  うちの教師が,弱視学級の方にも入っておりますので,またそちらでもPRさせていただくようにしたいと思います。 (松田)  ボランティアの呼びかけに関して,高校生や大学生ということですけれども,ぜひ小学生のときからでも声をかけていただきたいと思います。そういう年齢の時から思いやりの気持ちを養うことは大切なことですし,読書を育むという点からも,そういう機会は貴重だと思いますので,ぜひ小学校などにもお声がけいただきたいと思います。  それから,自分たちは対面朗読の活動もしておりますけれども,ボランティアはともかく,目の不自由な方がここまで来館するのは大変です。ぜひ地元の公民館などを使わせていただいて,そういう場で対面朗読ができるようになれば良いと思います。 (事務局)  小学生へのボランティア体験につきましては,夏休み等を利用して点訳体験などというのも考えておりますので,また来年度に向けて検討していきたいと思います。 また,地域での対面音訳につきましては,できるところから広げていこうということで,市民図書館の分館・分室など設備の整ったところから始めていくつもりですけれども,現状ではまだ力不足でできておりませんが,できるところから取り組んでいきたいと思っております。 (委員長)  場所の提供については,部長さん,いかがですか? (高知市健康福祉部長)  最初に,いわゆる小学生のボランティア参加に関しましては,最近高知市の方でも平成25年から地域福祉活動推進ということで,地域の中で皆さんがお互いに支えあって生活できるような地域づくりをしていこうということで取り組んでおりますけれども,その中でも特に福祉教育という考え方で,障害のある方とかかわりを持ったり,様々な方とかかわりを持つような福祉教育の充実が大事ではないかということで,市の社会福祉協議会等とも連携しながら取り組んでおります。  合わせて,場の提供ということで,先ほど館長の方からも話がありましたが,現在は図書館の分館の中での提供ということで考えておりますけれども,先ほどご指摘がありましたように,活用できるということで言えば市内の公民館等の施設になろうかと思いますが,所管については教育委員会ということになりますので,公民館連絡協議会という組織もありますので,そういったところとも意見交換しながら対応が可能な部分につきましては今後検討していきたいと思っております。 (委員長)  ありがとうございました。そのほか,よろしいでしょうか?ないようですので,以上を持ちまして,第一回高知声と点字の図書館の質疑を終了いたします。委員の皆様,どうもありがとうございました。